好きなものは何もかも好きなのか
リサとガスパールが好きだ。
こう言うと何もかもが好きだと思われる。絵本もグッズもアニメーションも何もかも。
普通の人はそういうものなのだろうか。そもそも普通てなんだということにもなってくるけれど、一般的に。かくいう私も友達からそう言われるとそう思ってしまうかもしれない。自分で書いていて反省します。
何年も前、初めてお店でリサとガスパールのキャラクターを見たとき、そのほわほわやわらかそうな、白と黒のキャラクターに思わず友達と一緒にわーっとかけよった。フランス生まれらしくかわいらしさとおしゃれさとがある感じがしてすごく感動したのだけど、あれよあれよという間にすごくみんなの知るキャラクターになってしまっていた。
この時には、なんか有名になっちゃったな、と好きな気持ちがすこし落ち着いた。今から思うとそういう思考ってちょっともったいない。
次のきっかけは、よく行く本屋さんにリサとガスパールの原画展の招待券が置いてあったことだ。軽い気持ちで見に行ってみた。すると、最初に見た時のあの感動が蘇ってきた。原画の筆のタッチと温かさと、リサとガスパールのつぶらな瞳とやわらかそうな動き出しそうな感じが心に波のように押し寄せた。
うわわわわ、めっちゃいい!!
感動した。
絵本を見たら、原画とはすこし印象が違っていた。トリミングがされていたり、紙に印刷することでどうしてものっぺりしちゃうというか、やっぱり直に原画を見るのは違う。
絵画を画集で見るのと実際に見るのとが違うように。
そして、絵本はやっぱり、子ども向けにしてあるのだろうか、太字で書かれた日本語の文のフォントがどうしても受け付けなかった。
なんでなんだろうか。
アニメになった時のキャラクターの動きと絵は合っていると思ったし、その印象からではあのフォントも間違ってはいなさそうだ。でも。
なので絵本を買うのはあきらめた。でも、キャラクター商品もなんでもかんでもにリサとガスパール付けたらいいってもんじゃないよってツッコミたくなるくらい、マグカップやお皿などの食器から、マグネット、パズルにタオル、ぬいぐるみ。好きな方なら生活の見える部分に好きなキャラクターがいたら、楽しくなったりうれしくなったりするのかな。うーん、でもあんまり欲しいという気持ちが沸き起こらない。
でも、こう思うのも私だけなのかもしれない。だって需要があるから作られているだろうし。
キャラクター自体はかわいい。
あんまりキャラクターが書いてあるものを持つのが好きじゃないのかな、うーん。
リサとガスパール好きだし、キャラクター商品が悪いわけじゃないし、買って持っている人をどうこういいたいわけじゃないんです。
こう思い返しているのも、今日またリサとガスパールの原画展に行ったからだ。やっぱり原画から受けるリサとガスパールのつぶらな瞳、動き出しそうなほわほわ感は変わらずものすごくかわいい。でもやっぱり今日も絵本やグッズには触手が伸びない。
そうか、対象としている世代が違うのか。
腑に落ちた。そうか。
それは1つの答えだとしても、キャラクターが好きでも何でもかんでも好きってことはなくてもいいよね。いい。それも1つの考え方だと思う。
新しい絵本の中で東京の街をゆくリサとガスパール、すごくかわいかった。そしてプリクラを撮るリサのつぶらな瞳が今のプリクラ仕様におっきくなっていたのにはちょっとした衝撃もあった。
また原画展があれば見にいこうと思う。
私はリサとガスパールの原画が好きだ。